木

今住んでいる家に引っ越しをしてきたのは20年前。更地から家を建てたので、裏庭は南部の赤土だけで、何もなかった。私たちは少しずつ自分たちの好きな木を植えた。私は吉野桜を選んだ。5本植えて、1本は育たなかった。4本の桜の木は、毎年春になると、硬い蕾が少しずつ柔らかくなり、薄いピンク色の花がパッと満開になり、風が吹くと、さっと散っていく。花吹雪をキッチンの窓から見るのが好きだった。息子が選んだのは、イチジクの木。Walmartで7ドルで買った。家は誰もイチジクを食べないのだけど、5歳だった彼の目に、イチジクの木は何故か魅力的に見えたのだろう。最初の数年は全く成長しなかったイチジクの木。もう、切って捨ててしまおうか、そんなことも家族で話した。でも、今では毎年夏になると、数週間で2000個も実がなる。教会のお友達や、ご近所さんたちに毎年、大量の"おすそ分け"をするのが夏の恒例行事になった。夫は、メイプルを選んだ。何の手入れもせずに、スクスクと大きくなり、秋になると美しい紅葉を楽しませてくれた。トレーダージョーズで見つけた小さくって可愛かったオリーブの木は、枝が伸びてフサフサになるまで大きくなった。エルダーベリーとホウソンベリーは、私の身長を越して、立派に空にむかって、ピンと立っている。
私たちが20年の年月を積み重ねてきたように、木も20年という日々を過ごした。強風の時、大雨の時、灼熱の暑さ、氷点下を超える寒さにも耐えて、彼らは成長してくれた。私は、一つ一つ幹に触れて、ありがとう、さようなら、と言った。なぜか涙が出た。一つ一つの木には、私たち家族が過ごした、数えきれない思い入れが、思い出が溢れている。木は動かない。ここにずっと留まる。新しく引っ越しをして来る家族に、私たちが愛した木々が暖かく迎えられてほしい、そして、木々たちにも、新しい家族と新たに、たくさんの思い出を作ってほしい。











